Samet Durgun 写真家
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Come Get Your Honeyに写る人々は、どこから来たのか

ジャーナル · 人々について · 2026年10月更新

Come Get Your Honeyに写るクィアやトランスの難民、庇護希望者たちは、どこから来たのか。トルクメニスタン、マレーシア、シリア、イエメン、リビア、アフガニスタン、イランと、国ごとにたどっていく。

Come Get Your Honeyのポートレートを見た人から、写っている人たちはどこの出身なのか、とよく聞かれる。答えはひとつの場所ではない。キャプションに国が記されている人たちは、トルクメニスタン、マレーシア、シリア、イエメン、リビア、アフガニスタン、イランから来ている。そして作品をとりまく輪は、それよりもさらに広がっていた。

このページでは、国ごとに見ていく。名前を挙げる人については、すでに公開されていることだけを書く。その人のキャプション、本、このサイト、あるいは本人の言葉で語られていることだ。本で名前が出ていない人は、ここでも名前を出さない。クィアやトランスで、庇護を求めていた人にとっては、名前の横に国が書かれているだけでも、すでに多くを知られることになる。だから、本人がまだ公にしていないことは何も書き足さない。

各国の項には、本に収めた写真を私が撮った2018年から2021年までの時期に、その国の法律と状況がどうだったかを一、二行添えている。それは背景であって、誰かが国を離れた理由ではない。その理由を語るのは本人だ。

トルクメニスタンから

トルクメニスタンで育ったPrince Emrahは、このシリーズのために私が最初に撮影した人のひとりで、このシリーズが生まれた理由のひとつでもある。彼女はクルド系とアゼルバイジャン系の出自を持ち、2015年にドイツに来る前はイスタンブールに住んでいた。ベルリンでベリーダンスに癒やしを見いだし、2018年には、クィアの難民とトランスのアーティストを支援するためにQueerBerg Collectiveを設立した。本のために私にインタビューもしてくれた。いつもの質問の向きが、そこでは逆になった。

黒いメッシュのトップスを着た人物が、光の粒が散る暗い壁を背に、胸の前で腕を組んで立っている。
Prince Emrah at Silver Future, 2018. Come Get Your Honeyより。

私がこれらの写真を撮っていた時期、トルクメニスタンでは男性同士の性行為は犯罪で、最長二年の懲役が科されうるものだった。

マレーシアから

作品のタイトルやキャプションに、どの国よりも多く出てくるのがマレーシアだ。「マレーシアのシャリーア法では、ムスリムの家庭に生まれたトランス*の人の居場所は刑務所です。それが私たちの信仰なんです」と、Suryaniは私に語った。彼女は何年ものあいだ、ヒンドゥー教徒として通していた。マレーシアを逃れ、デンマークで四年に及ぶ庇護手続きを経たのち、今度はドイツで、二度目の庇護を求めた。Suryani With Her Plantsは彼女の写真で、当時彼女が住んでいた部屋から撮ったView From the 18th Floorもそうだ。

Julie Dancerは、ベルリンで庇護を求めた、マレーシア出身のトランスの難民だ。Dancers at Their Breakでは、バーレスク・パフォーマーのNoéline la Boucheと並んで座っている。寮でのメイクのワークショップのあと、私の顔にメイクをしてくれた友人も彼女で、彼女のメイクをした私の自画像はそうして生まれた。

国名がタイトルに入った写真は、ほかにもふたつある。Malaysian DancerとMalaysian Peacock Dancer (I Chose Art to Protect Myself)だ。後者には、危険にさらされているLGBTQIA+の難民と庇護希望者のために用意された寮の近くにいる、マレーシア出身のノンバイナリーの人が写っている。Amrou Al-Kadhiは序文で、Malaysian Dancerに写る人について、クィアとしてのアイデンティティとマレーシアの出自を、ふたつのあいだに何の葛藤もなく同時に祝福している人だと書いている。

金色の花嫁の頭飾りと幾重にも重ねた装身具をつけたポートレート。視線はカメラに向けられている。
Malaysian Dancer, 2019. Come Get Your Honeyより。

マレーシアの連邦法は、「自然の秩序に反する」性行為を最長二十年の懲役と鞭打ちで罰していた。男性が「女性を装う」ことを禁じる州のシャリーア法はトランス女性に対して用いられてきた。そして2018年の選挙のあとには、LGBTの人々への締めつけが強まった。

シリアから

Mirnaは家族とともにシリアの戦争を逃れた。その後トランスであることをカミングアウトすると、家族は彼女を拒絶した。私が撮影したとき、彼女はLGBTQ+の十代の若者のために用意されたアパートで暮らしていた。Mirna in Her KitchenとMirna Whippingに写っているのが彼女だ。

青いドレスを着た人物が台所のシンクの前に立ち、暗い色の髪が肩にかかっている。
Mirna in Her Kitchen, 2020. Come Get Your Honeyより。

シリアの戦争は2011年3月に始まり、2022年3月までに、近隣や周辺の国々が560万人を超えるシリア難民を受け入れていた。シリアの法律は、男性同士または女性同士の性行為を最長三年の懲役で罰していた。

イエメンから

Gaboはノンバイナリーで、イエメン出身だ。Gaboは本のためにふたりで決めた仮名で、私が使う名前はこれだけだ。「インターン先の人たちは私にコーディングを教えたがるけれど、私はそれを望んでいません。ヨーロッパ法の勉強を始めたいんです」と、Gaboは私に語った。

窓辺に身を横たえた人物が、模様の入った衣服を頭の上に掲げている。
Gabo Gazing, 2020. Come Get Your Honeyより。

イエメンの戦争は2015年に激化し、2021年末までに国内で避難を強いられた人は400万人を超えた。イエメンの法律は、男性同士の性行為を鞭打ちか懲役で罰し、既婚男性の場合は石打ちによる死刑としていた。

リビアから

表紙に写っているKylie Divonはリビア出身だ。シリーズのなかで彼女はKeil Liとして登場する。表紙はKeil Li at Patricia’s Lapで、ほかにも彼女の写真が四点ある。Fotografiska Berlinでの私たちのトークで彼女は、自分は公にカミングアウトした最初のリビア人トランス女性であり、ベルリンに移ったときには庇護が認められたばかりだった、と語った。

柔らかな光の中、フェザーボアを身にまとって横たわる人物。Come Get Your Honeyの表紙写真。
Keil Li at Patricia's Lap, 2020. Come Get Your Honeyより。

リビアの法律は、男性同士または女性同士の性行為を最長五年の懲役で罰していた。また2011年の革命以降、それを理由に告発された人々を武装集団が拘束し、処刑したという報告がある。

アフガニスタンとイランから

“She Is My Mom” (Dormmates)には、寮の友人ふたりが写っている。アフガニスタン出身のクィアの難民の男性が、イラン出身のレズビアンの友人の膝に頭をあずけている。ふたりとも本では名前が出ておらず、ここでも名前は出さない。

アフガニスタンでは、2017年の刑法が男性同士、女性同士の性行為を明確に犯罪と定め、憲法はシャリーア法の適用を認めていた。シャリーア法のもとでは、死刑となりうる。タリバンは2021年8月に国全体を掌握した。イランでは男性同士の性行為は死刑となりうるし、女性同士の性行為は鞭打ち百回となりうる。

さらに広い輪

五十人近くが何らかのかたちでこの作品に関わり、そのうち十五人が本に写っている。Emrahと寮の友人たちを通じて、私はロシア、シリア、セルビア、アフガニスタン、ナイジェリア、イラン、マレーシア、イエメン、リビア、トルコ、パレスチナから来た人たちと知り合った。それらの国の多くは、2021年にUniversität der Künste BerlinのCritical Diversityブログで受けたインタビューで挙げている。これらの国は輪全体を表すもので、そのなかの誰かに結びつけることはしない。

写真に写る全員が難民として来たわけではない。Dancers at Their BreakでJulieと一緒に写っているNoéline la Boucheは、ベルリンに住むバーレスク・パフォーマーで、歌手、モデルでもあり、西アフリカにルーツを持つドイツ人だ。そして私はドイツ・トルコ・アブハジア系だ。2013年にベルリンに移り住んだが、私は難民ではない。

ドイツでは

ドイツでは、当時の庇護法が性的指向や性自認を理由とする迫害に対して難民としての保護を認めており、申請はすべて個別に審査される。本に写る人々のなかには、私が撮影したとき、まだその決定を待っていた人もいれば、すでに書類を手にしていた人もいた。難民と庇護希望者という言葉が本に写る人々にとって何を意味するのかは、Come Get Your Honeyに写っているのは誰かに書いた。

全員の一覧を載せない理由

仮名を希望した人がいる。顔を見せたくないという人もいた。事情を知らない家族に本人だと気づかれれば危険にさらされかねないため、公開を控えた写真もある。名前と顔と国がそろえば、それだけで人を探し出せてしまうことがある。だから、このページは本が止まったところで止まる。新しい文脈は新しい問いであり、私がどう尋ねるかは実践としての聴くことに書いている。

これらの写真を使いたい場合は、まずシリーズの写真の利用許諾を得る方法を読んでほしい。本のために得た同意は、新しい用途にそのまま引き継がれるわけではない。

シリーズ全体は、すべてのキャプションとともにオンラインで公開している。五十人近くのうち、なぜ十五人だけが本に写っているのかは、五十人が、写真の中の十五人になるまでに書いた。シリーズは2018年に始まり、いまも続いている。写真集は2021年にKehrer Verlagから刊行された。

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